リューシスティック事始め
- date :2011.12.31
- writer :syogun
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ウパのリューシスティックはいつどこで誕生したのか、
人が飼育する中で生み出した突然変異なのでしょうか、
はじめに登場するリューシは本の中にありました…。
Joachim Wistuba著の「Axolotl」にこう書かれています。
フォレ将軍の遠征軍団(フランス)がこの動物の土着のサンプルを少数、
生きたままメキシコからパリに持ち帰ることができたので、
1863年にはこの動物はヨーロッパでは既に知られていた。
専門家たちは呆然としたが、なぜこの幼生にみえる有尾類が
うまく繁殖できたのかは、それまで誰も分からなかった(Smith 1989年)。~中略~
フォレ将軍がメキシコ遠征から持ち帰った、
33匹の天然色と1匹の白色の生きているメキシコサラマンダーたちが
パリの自然歴史博物館に到着したことが引き金になって、
そこからこの有尾類の「学術的キャリア」が始まった(Smith 1989年)
フランスがメキシコ出兵によって
メキシコ市を陥落させたのが1863年。
15~17世紀にコンキスタドールが踏み荒らし、
先進各国の思惑や不安定なパワーバランスの結果が
今のメキシコに通じる起点の一つとなっています。
そんな時にメキシコから持ち出された珍しい土着生物として
ウーパールーパー達がフランスにやってくる事になりますが、
その際持ち帰られた34匹の中に1匹白い個体が含まれていました。
単に「白い」と「アルビノじゃないの?」ともとれる可能性はありますが、
白変種は遺伝的な見地では突然変異とは全く異質なもので
白化の遺伝情報は脈々と受け継がれる基本的な遺伝と考えられています。
更に当時のパリ植物園(le Jardin des Plantes de Paris)にて
既にリューシスティックの存在が確認されているのを踏まえれば
当初フランスに運ばれた白いメキシコサラマンダーが
リューシであると考えるのが一番しっくりします。
パリ植物園で突然変異で生まれたと言われる説もあります。
「パリ植物園」と「突然変異」というキーワードで思い出すのは
そもそも生物学自体が不安定だったこの頃に突如起きた
ウパの変態&陸上化が思い当たります。
当時の進化論者を賑わせた一大トピックですので
連想ゲームの中で混ざったのかもしれないですね。
(このあたり曖昧で手前勝手な解釈で大変申し訳ないのですが..)
万が一突然変異だったとしても起源となる一匹が
パリ植物園にいた事には変わりありませんです^^
最古の人工飼育された一群は7匹しかおらず、 これがヨーロッパ中に配分されたのだが、そういうわけで、 今日でもなお、ラボや動物園、個人所有のアクアリウムで生まれる 沢山の種は、多かれ少なかれこの最初の人工飼育グループの直系にあたる (Duméril 1872年, Smith 1989年)
全世界に愛玩動物として広がっているリューシスティック、
原種が持ち出された事が何度かあるとはいえ、
その大半のはじまりはこの一匹だったと思うと感慨深いですね。