卵の送り方・送られ方講座
- date :2013.01.01
- writer :syogun
- pv :08967
- HOME
- ウーパールーパーの里親里子
- 卵の送り方・送られ方講座
寒さもひとしおのこの時期を越えるとウパには産卵の季節ですね
卵の状態での輸送メリット&デメリットと注意点。
発送件数がタダものではない先生を迎えて開校します^^
生まれたてのウパは給餌を筆頭に飼育が難しいですが、
生体としての弱さもあり輸送にはあまり適していません。
幼生のウパを発送するくらいなら卵の状態で送った方がいいというのは
ウパに限らず知る人ぞ知る事であります。
例えば昆虫であれば越冬のために卵という形態を利用し
稚ウパの餌ともなるブラインシュリンプ(アルテミアの一種)も
過酷な長期間の乾燥を生き抜くために卵の形態を利用します。
それらに比べれば耐久性は劣るものの、
一定の環境下でも維持できる卵は輸送に適した状態と言えます。
ただし、そんな卵の維持や輸送とはいえども
「抑えておきたいポイントがある」と先生はいいます^^
先生とは以前の記事で紹介させていただいた
ウーパールーパーNETさん。
1シーズン中に届く卵の数は少なく見積もっても1万個、
ピーク時は幾つもの発送先から毎日のように届き、
またご本人の発送量も万単位の相当数を数えている方です。
旧知のブリーダーさんのみならず新規のオークショナーなどなど..
色々な方からの数百回に及ぶ購入経験や
卵の到着後から孵化までの成長も通して、
最適な卵の発送について教えていただきました。
卵の最適な送り方
発泡スチロールの容器ににビニール袋を2重に張り、
その袋の中に1日汲み置きしたきれいな水を多く入れます。
水の量はおおよそ容器の高さの半分よりも少なく30~40%です。
この中に、水温の差に注意して卵を入れます。
入れるときは目の小さなタモを利用し、
卵塊を崩さないように入れます。
最後に1日汲み置きしたきれいな水を入れて
容器の高さの半分よりも多い65~75%にします。
残り35~25%は酸素が望ましいですが、空気でもかまいません。
後はビニール袋に輪ゴムなどを封をし、
それらすべてを包み込みように更にビニール袋に入れて
更に輪ゴムで封をし、2重にします。
ここでおっしゃっている卵塊は複数の卵のみではなく
卵嚢とも呼ばれる卵膜の外側にあるゼリー状のものも含みます。
これは衝撃吸収や乾燥から守るためにあるもので、
個数での販売だと数えたり無性卵の選別などの際に
卵膜のみにして取り外される事が多々あり、
それが卵の維持だけではなく、成長や孵化にも影響を与えるとの事。
私が卵を配布や発送をする際に使っていたペットボトルは
扱いやすさや密閉性、更に梱包コストには優れていますが
口が小さく卵塊を崩してしまう観点からお勧めされていません。
キズを付けないように卵を扱えるタモもペットボトルには使いにくく、
手軽な密閉性を実現できるペットボトルで、卵塊を崩さずに
タモも使えるほど口の広いものがあるといいのですが..(笑)
更なる注意点として段ボールでの発送は
水濡れによる変形や底抜けなど、卵にダメージを与えてしまう事もあり、
その点発泡スチロールの場合は形状の変化が少なく、
外気の寒暖差もある程度緩衝できる利点もポイントです。
難点を挙げるとしたら発送元が発送資材として在庫を持つ必要があり、
折り畳める段ボールとは違い嵩張るといったところでしょうか..
これは安全に届けたいか、発送元の負担を減らしたいかの見極め点ですね^^。
また、卵の孵化率においての指標に、
経産ウパと初産ウパの違いも言及されてます。
もし自身が孵化させるのではなく、卵の引き取り手を探す際には
初産ウパの場合には特に成長を確認してからでないと
送ったはいいけど成長せずにもちろん孵化に至らず、
引き取り手の方に迷惑をかけてしまう事があります。
これが販売の場合だと責任問題になるので注意しましょう。
そして発送期限として、孵化間近の卵は勧めていません。
郵送時の刺激や揺れなどで不完全な状態で孵化してしまうと
その後成長できないケースも多いそうです。
卵の内部で細胞分裂などの成長が確認してから、
外鰓が確認できるかできないぐらいの時ぐらいまでが
卵輸送の最適な時期ということですね^^
それと卵が輸送に適していても
生まれたての両生類を育てた経験の無い方が受け取る場合には
通常飼育以上に事前の準備が必要ですのでお忘れなくです。