ウーパールーパーと空間認識能力
- date :2010.06.04
- writer :syogun
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以前飼育環境の大きさや広さによって
短期間でも成長スピードが異なる事例をご紹介しました。
その後も実験は(飼育スペースの狭さのためやむなく)
継続されていたのでご報告です。
空間認識とは単に水槽の広さだけではなく
三次元的に空間を理解する能力のことをいいます。例えば..
- 「どこにいるか?」という位置の認識
- 「どっちに向いているか?」という方向の認識
- 広さとも関わりの強い環境の大きさの認識
- この土管はどんな形か?といった形状認識
- 壁と壁の間隔など2つの間の距離や間隔の認識…など
のんびりスローで壁にぶつかったり、
狭い所を必死にもがくウーパールーパーに
そんな能力あるのかなと疑問も持ちたくなります。
同じ両生類の中でも空間認識能力はかなりの差があり
都合良く一括りにできなさそうでして、
例えばツノガエルはケースの大きさで成長に差が出ないので
一般的な飼育環境としてプラケースを利用される場合が多いです。
狭くてもスクスク育ってくれます。
もう少しウーパールーパーに近いところの有尾類では
(陸生ですが)ファイヤーサラマンダーの認知能力は有名。
餌を探しに出てもきちんと空間を把握していて
きちんと自分の巣に戻る巣帰本能を持ち、
繁殖期では雄同士が縄張り争いをしてしまう程の
高い空間認知能力が備わっています。
勝手な推測ですが、ツノガエルはじーっと動かず待ち伏せをして
近くにやってきた餌をパクっと得るタイプなので
そもそも空間を認識する必要がないのかもしれないません。
自ら動いて能動的に餌を取り、隠れ家を理解しているタイプには
この空間認識能力が備わっているのでしょう。
そこで現在飼育している2匹のブラックの比較です。
ほぼ同時期に生まれたブラックのウーパールーパーなため
元の大きさはほぼ均衡している状態でした。
(同じ親から生まれた兄弟ではありません)
プリンカップ住まいのウパ(左)と水槽住まいのウパ(右)で
飼育環境の大きさ、広さにかなり差があり、
嘘のような話ですが、3ヶ月でここまで差が開いてしまいました。
大きく育っている右の子は今年お譲りいただいた子なので
どうしても環境にうちの子以上に気をつかってしまい、
早々に広い水槽に移動した事が原因と思われます。
餌量は週に1度ほど多めに給餌してます。
あえて餌の量を変えて成長を調整するようなことはしていません。
食べれない分は掃除して次回はちょっと減らす。
そんなこんなで結果的に変わっています。
大きい子は成長に伴って通常のキャットや活メダカに移行済み、
残念ながら小さい子はミニキャットの量が多少増えたのみです。
プリンカップは次第にシフトして、最大の大きさになっているとはいえ
スペース的に仕方が無いとはいえ結果的には盆栽飼育となり
稚ウパ君たちには申し訳ない気持ちです。。
幼生期の成長スピードにおいては
空間の広さがかなり関わっている可能性が高く、
ウーパールーパーに空間把握能力が備わっている事を更に確証するには
同じ遺伝情報を持つ兄弟などでも調べて行く必要がありますね^^
来シーズンの稚ウパ飼育にも楽しめるテーマができました。