ウーパールーパーの変態
- date :2009.12.28
- writer :syogun
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ひとつ重要なことなのですが
ウーパールーパーは長い時間をかけた進化の過程で
変態を選ばず命を繋げてきた生き物です。
他の両生類とは違い、変態に対しての考え方が
根本から異なることを前もってご理解いただければと思います。
(ぼく達はこのままがいーの!変態なんかしたくないの!)
私が知る中で変態させる方法は大きく分けて2つ、
水位を下げていって陸上環境に慣らしていく方法と
変態に関するホルモンに働きかけて変態させる方法。
過去に京急油壺マリンパークで変態の実験を
一般公開した際のレポート「ウーパールーパーの生態について」を
阿部泰宜さんのサイトで見ることができる。
http://oo.spokon.net/yasu/u-pa-/u-pa-3.htm
こちらは飼育水槽の水位を徐々に低くしていき
エラ呼吸から肺呼吸へと移行させて変態をさせる方法との事、
もう一方の甲状ホルモンを利用した変態については
下記のように掲載されていました。
アホロートルに豚の甲状腺粉末を与えると、
個体によって変態開始までの期間と変態速度に差はでるが、
必ず変態することが確認できた。
ほとんどの個体が2カ月以内に成体型に移行し
陸上歩行が可能になった。
また、かなり昔の文献ですが
変態を促す方法が書かれていたものがある。
変態の促し方
- 10cm程度に育っていることが必要
- 水槽に0.02%のサイロキシン(チロキシン)を数ml入れる
- 0.005%のサイロキシン0.5mlを注射
※サイロキシンを多く与えすぎると変態が早まるが
固体への負担が大きく死んでしまう場合がある変態後の様子
- 鰓と鰭が1ヶ月ほどで小さくなってなくなる
- 骨格全体が小さくなり、頭が卵型になる
- まぶたができる
- 皮膚の粘性が無くなり角質化する
- 体の表面に模様ができる
DNAの奥に忘れ去られた機能を無理に引き出すものなので
変態をすることは体への負担が大きい。
変態後には幸せになって長生きしたという話しも聞かない。
実験後記にこうもありました。
陸上げを行った個体はすべて1カ月後に死に、
これから甲状腺ホルモンの投与によって
人為的に変態させたメキシコサンショウウオにとって、
完全なる陸上生活は好ましくないことが明らかになった。
水底で外鰓をたなびかせる姿がかわいいのだから
これを無理に死の危険を増やしてまで、可愛くなくさせる理由なんて…
どこを探しても無いのでは無いのでしょうか。