塩水浴の影響と注意について
- date :2010.01.25
- writer :syogun
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もし塩水浴が万能であれば薬液が存在しないので分かるよう、
塩浴はすべてに効果のある奇跡の水ではありません。

(塩浴には注意が必要ですよ~)
確かに効果も高いですがデメリットも多く抱えています。
生物ろ過への影響
ろ過には水中のゴミをろ過する物理ろ過と、
バクテリアの力を借りて水をきれいにする生物ろ過があります。
ろ過の重要性が高いのは後者の「生物ろ過」です。
ウーパールーパーだけでなく、水棲の生き物に悪影響のある
アンモニアなどを悪性の低いものに変換してくれる生物ろ過が無いと
水の環境はとても不安定になってしまいます。
塩水浴は、このろ過をするバクテリアへも影響します。
もしろ過環境の整った水槽に塩をがっぽり入れてしまうと
また数カ月かけてろ過環境の作り直しになりますので
水槽から隔離した環境での塩水浴を行ってください。

(フィルターだけでなく底砂利の中のバクテリアにも影響するよ)
隔離の必要性と期間
水槽の中に50Lの水があり、0.5%を作るには250gの塩が必要です。
つまりは1kg入りの塩袋の1/4もの量…。
塩を準備し、実際その量を目の前にすると焦るボリュームです。
その時点で踏みとどまっていただければいいのですが
「ええい、ままよっ」と投入されたら最後です。
ただし、塩水浴は必ず生物ろ過の行われている水槽から
隔離された環境で行ってください。
元々の原因となっている病原菌などよりも
恐らくアンモニアの方がダメージが強いです。
エアレーションはあったほうがいいですが、
生物ろ過環境は作れないので、
とにかく換水をこまめに行ってください。
気休め程度ですが活性炭があれば多少の
アンモニアを吸着してくれるかもしれません。
期間は症状によって効果的な期間が異なります。
ただ数時間で効果がてきめんな症状は伺った事はありません。
また逆に様子を見ながらじっくり長期間行うとしても
1週間を限度としてください。
ホメオスタシス
生物のある恒常性の事で体内の環境を
一定の状態に保つために働くことをいいます。
これはウーパールーパー自身にも、
悪影響を与えてる病原菌や寄生虫も同じく持っている機能です。
塩分濃度による浸透圧に対しての耐性だけではなく
ph値などもこの機能によって上手く調整されるものなので
本来はあってほしい機能ではあるのですが
そのため微弱な塩分濃度を長期間継続すると
そもそもデッドラインとなっている濃度でも
耐性を持ってしまう場合があります。
またウーパールーパー自身も
塩分濃度の高い状態が継続すると恒常化してしまい、
濃度の無い状態に対して耐性の弱い
(もしくは塩分に守られて本来の抵抗力の無い)
虚弱体質になってしまうと考えられています。
もちろん6.5%の両生類生理食塩水に
ウーパールーパーをポチャンと放り込むのも危険です。
低めの濃度の塩水と様子を見ながらの水合わせをして
濃度を少しづつじっくりと高める必要はありますが、
中途半端な濃度で長期的に塩水浴を続ける事は好転せずに
むしろ悪影響を及ぼす可能性があります。
塩水浴は水に塩を入れるだけ治療できるお手軽療法ではなく
原因と効能を理解して手間をかけて行う必要があるので
結構ハードルの高いものなんですね。。