ウーパールーパーとチナンパ
- date :2009.11.17
- writer :syogun
- pv :09256
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チナンパというのはメキシコで行われている伝統農法、
ウーパールーパーの故郷ソチミルコ湖で行われています。
周辺の歴史地区とともにこのチナンパのある風景は
ユネスコ世界文化遺産にも登録されています。
チナンパを至極簡単に説明してしまうと、
湖面に背の高い植物をうず高く重ねて浮かべて、
その上に湖底の泥を重ねて浮畑を作り、多様な植物を栽培します。
水面で栽培をすることで絶えず水を供給できて
栽培地となる畑の泥も新たに重ねていくことで
栄養豊富な土壌を維持でき、安定した収穫量が確保できます。
メキシコ南部の水郷地帯には湖が幾つもありますが
塩湖の湖など条件の合わない湖もあり、
このソチミルコ湖やテスココ湖で最も盛んとなりました。
争いが絶えず、治める人種も移り行くメキシコの歴史においても
この農法は変わることなく現代でも行われています。
「で、その農法がウパとどう関係あるの?」ですよね^^
少しづつ近づくのでもう少しお待ちください..
チナンパ農法に必要な要素はいくつもありますが
何よりも栄養豊富な湖底の泥が必要になります。
多種多様な植物を育てられる土壌、
主食のトウモロコシだけではなく、インゲン、
カボチャ、ピーマン、トマト、タバコ、草花類まで…
まさに何でも栽培できる万能の農地なワケです。
現代の最適な化学肥料の使用と比較しても収穫量は1.5倍となり
一般的な農法と比較すると2~3倍にもなる収穫量を叩きだす泥。
ソチミルコの湖底にはそんな泥が大量に堆積していて
紀元前から今に至るまで枯れることがありません。
このソチミルコ(ショチミルコ)という地名も
ナワトル語では「畑と花の場所」という意味で、
この地名が付いた時には既にこう呼ばせるだけの
見事な農耕地帯だったのでしょう。
標高1000mをゆうに超えるメキシコ高原は
高地乾燥地帯と湿地帯が混在する厳しい地域にも関わらず
5世紀の時点で20万人の人口を擁していたテオティワカンなど、
この農法が周辺の数々の文明を支えていたとも言えます。
畑が浮かんでいて気になるのは
自然に流れてしまうのではないか…ということ。
対策として行われていたのは驚くことに
浮畑の上に柳の木を植えるといった方法。
次第に根を張り底面に固定されるのを待つ..。
実にのんびりとした固定方法です^^;
そもそも植物と泥で作った畑ですから
流れや満ち引きなどの水の動きが激しいと壊れてしまいますもんね..
そんなソチミルコ湖で生息するウーパールーパーさん。
(やっとこさウパに繋がった^^)
この子達は底棲生物なのでこの豊かな泥床環境で育ち、
チナンパが流されないようなあるか無いかの穏やかな水流で
柳の木の根が届く程度の水深で生きてきたということです。
今では人口増加と開発によって奪われたこの環境ですが
ウパに「あれ、この感じどこか懐かしいかも」と言わせられる様に、
飼育水槽の環境にも近づけてあげたいですね^^
出典・参考
- ソチミルコ(wikipedia)
- 植物工場の可能性 アステカ文明の驚異のチナンパ農法に学ぶ
- メキシコ歴史紀行 コンキスタ・征服の十字架