メキシコでの生態調査2014
- date :2014.05.10
- writer :yu.zyanya
- pv :27608
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メキシコ科学技術アカデミーが2013年に行った
ウーパールーパー(メキシコサラマンダー)の生態調査レポートをとおして
メキシコでのウーパールーパーのおかれている現状をご紹介させて頂きます。
以下は、上記レポートを記事にしたCNN MEXICOの記事からの内容抜粋です。
メキシコ科学技術アカデミーは、2013年にメキシコシティのソチミルコ湖で実施したウーパールーパーの生態調査の声明を発表した。その声明によると、第一段階の調査で研究者たちは、ウーパールーパーの生態を確認できなかったとのことである。
また、ソチミルコ在来種の救済プロジェクトのコーディネーターであり、メキシコ国立自治大学のクリスティーナ・アジャラ・アスカラガ氏との電話インタビューでは、今回の調査の結果について、現在「危機的」な状況ではあるが、在来種の絶滅を意味するものではないとの見解を示している。
調査の第二段階は、2014年の2月から3月にかけて行われる予定である。
同アジャラ氏は、調査第二段階の時期は、産卵の時期であり、植物に付着した卵を確認できるだろうと述べた。
メキシコ科学技術アカデミーが1998年に実施した初回の生態調査では、1平方キロメートルに6,000匹のウーパールーパーが確認されたが、2003年の調査では1平方キロメートルあたり1,000匹にまで減少していた。さらに、2008年には、1平方キロメートルあたり100匹にまで減少していることが報告されていた。
上記アジャラ氏によると、この劇的なウーパールーパーの数の減少は、住宅建設などによる、ソチミルコ湖への排水の流れ込みによる水質保全、また鯉やティラピアといった多種の出現により拍車がかかったものと考えられる。
もう一つウーパールーパーの生存数の減少の要因となりうるのが、都市部東に予定されている高速道路の建設である。
もともと世界でも有数の大気汚染国であるメキシコは、環境問題、特に大気汚染によって多くの資源を失っており、それはソチミルコ湖に関しても例外ではなく、ウーパールーパーを含む、多くの生物の生存に影響を与え続けている。
ソチミルコ湖は、カナダからの渡り鳥の為の「聖域」となっているだけではなく、ユネスコの流行文化遺産としても考えられており、多くの動植物の生息地として機能している。
ウーパールーパーに関しては、メキシコ国立自治大学がソチミルコ湖内に3つの環境整備された避難所を有しており、そこで生態の研究が行われている。
メキシコ国立自治大学は、今後避難所を10箇所にまで増やす計画を立てており、ウーパールーパーの絶滅回避に向けて自主的な参加を表明している。
以上、抜粋終了。
以前のメキシコにおけるウーパールーパーは、ソチミルコ湖だけではなく、スンバンゴ湖やチャルコ湖、テスココ湖でも生息が確認されていたが、現在ソチミルコ湖が直面している、開発による生息地の破壊、水質汚染などにより、壊滅してきた歴史があります。
本レポート記事にあるメキシコ国立自治大学は、世界大学ランキングの上位に位置する、ラテンアメリカ内でも有数の研究環境の整った大学であり、私自身も社会科学部に在籍していた母校です。今回、本大学がウーパールーパーの保護に向けた更なる支援態度を示しており、絶滅危機回避に向けて大きな成功を収めてほしいと、ただただ願うのみです。